「蚊に刺されたときは数時間で引くのに、なぜダニに刺されると1週間以上も痒みが続くのか」――この疑問の裏には、人体の免疫システムが引き起こす遅延型アレルギー反応(IV型アレルギー)が深く関わっています。
蚊の唾液成分に対するアレルギー反応は、刺された直後にヒスタミンが放出される「即時型」が中心です。一方、ダニ刺されの痒みが長引く理由は、ダニが刺入時に注入する分泌液に含まれるタンパク質が異物として認識され、T細胞などの免疫細胞が集まるまでに24時間前後の時間を要するためです。集まった免疫細胞が局所で持続的に炎症性サイトカインを分泌し続けるため、刺されてから2〜3日目に痒みのピークを迎え、その後も炎症がくすぶり続けます。
さらに深刻なのが、ダニの噛み跡が治らない原因と経緯を辿ると、初期段階の強い痒みに耐えかねて皮膚を激しく掻き壊してしまう点にあります。皮膚の表皮バリアが破壊されると、黄色ブドウ球菌などの細菌が二次感染を起こし、浸出液を伴うびらんや、水ぶくれやしこりが残る詳細まとめにあるような「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」へと移行します。結節性痒疹化すると、真皮層の神経線維が過剰に増殖し、わずかな衣類の摩擦でも激痛に近い痒みが誘発される負のループに陥ります。数ヶ月から数年にわたり硬いしこりが残り続けるケースも珍しくありません。