アパレル用語の中でも特に混同されやすいのが裄丈の読み方と寸法の定義です。まず基本として、裄丈は「ゆきたけ」と読みます。元来は着物(和装)で用いられてきた伝統的な仕立て用語ですが、現代ではビジネス用のワイシャツやラグランスリーブのコート、アウトドアウェアなど、肩の縫い目が特殊な洋服の標準規格として幅広く採用されています。
最大の落とし穴である裄丈と袖丈の違いを一言で表すなら、「寸法の起点(スタート地点)がどこにあるか」という点に尽きます。袖丈は「肩の縫い目(肩先点)から袖口まで」を指すのに対し、裄丈は「首の後ろの付け根(背中心)から肩先を経由し、袖口まで」を測った長さです。つまり、裄丈には「肩幅の半分」が初めから含まれているのです。
洋服のパーツごとの関係性を整理すると、次のようになります。
- 裄丈(ゆきたけ):首の後ろ中心(頚骨点)〜 肩先 〜 手首の骨(くるぶし)までの総延長
- 袖丈(そでたけ):肩の縫い目(肩先点)〜 袖口までの長さ
- 裄丈と肩幅の違い:肩幅は両肩の端から端までの直線距離。裄丈は「(肩幅 ÷ 2)+ 袖丈」という計算式でおおよその数値を割り出すことが可能
- 裄丈と着丈の違い:着丈(きたけ)は首の後ろ付け根から裾までの「縦の長さ」であり、上半身の長さを表す指標
多くの人が犯す過ちは、「普段の服の袖丈が60cmだから」と、裄丈表記のシャツを同じ感覚で選んでしまうケースです。成人男性の肩幅の半分はおよそ20〜23cmあるため、袖丈の感覚で裄丈のサイズ表を見ると、手首に到底届かない短すぎるシャツを買ってしまうことになります。