新宿スンガリーはなぜ愛され続ける?老舗ロシア料理のリアルな評判を徹底解説

新宿スンガリーはなぜ愛され続ける?老舗ロシア料理のリアルな評判を徹底解説

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新宿スンガリーの歴史は、歌手・加藤登紀子氏の母である加藤幸子氏が1957年(昭和32年)に創業したことから始まりました。店名の「スンガリー」とは、かつて一家が暮らした旧満州(現在の中国黒竜江省)を流れる大河「松花江(スンガリー川)」に由来しています。ロシア系移民をはじめ多様な民族と文化が交錯していた国際都市ハルピンで育まれた、本物の家庭料理と温かなもてなしを日本に伝えたいという切実な想いが、この店の原点にあります。

加藤登紀子氏自身も学生時代に店を手伝い、自著や回想録の中で「スンガリーは家族の歴史そのものであり、人と人との心を繋ぐ港のような場所だった」と語っています。当時の文壇バーや文化サロンの趣を残した店内には、作家、映画人、音楽家たちが夜な夜な集い、芸術や社会について語り明かしました。単なる飲食店にとどまらず、豊かな会話と異文化への敬意が息づく「文化の発信基地」としての精神が、今なおフロアの隅々にまで浸透しています。

近年、国際政治の緊張から「ロシア」という言葉を取り巻く環境は大きく揺らぎました。しかしスンガリーが提供し続けているのは、国家の境界を超えたウクライナ、ジョージア(グルジア)、ロシアなど旧ソビエト圏・ユーラシア一帯に根づく民衆の豊かな食文化そのものです。食材への誠実な向き合い方と、何世代にもわたって受け継がれてきた調理技術こそが、流行り廃りの激しい新宿の街で孤高の存在感を保ち続ける最大の原動力となっています。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。