松竹衣裳の業務は、大きく分けて「制作部門」と「着付・現場運行部門」に分かれています。特に歌舞伎座の衣裳を担当するスタッフは、公演期間中、客席からは見えない舞台袖で息をつく暇もない「早替わり」を支えます。わずか数十秒の間に何枚もの重厚な着物を乱れなく着付ける技術は、長年の鍛錬が生み出す職人芸です。
一方、映画・ドラマの衣装制作では、クランクイン前の時代考証からデザイン画の作成、染色、縫製、そして現場でのエイジング加工(あえて使い古した風合いを出す特殊技術)まで手掛けます。役柄の人生や心理状態まで衣服で表現するクリエイティビティが、作品のクオリティを底上げしています。