フリマアプリやネットオークションの普及に伴い、「明治時代のアンティーク」と称して昭和40〜50年代のインテリアブーム時に作られたリプロダクト品や、東南アジア製の安価な現行品が高額出品されている事例が後を絶ちません。本物の明治期ランプを見分けるための3つの決定的鑑識ポイントを解説します。
1. 和ガラス特有の「揺らぎ」と「気泡」
明治期のガラス製造技術は手吹き(宙吹き・型吹き)が主流であり、原料の精製技術も未熟でした。そのため、本物の明治ガラスには微細な気泡、厚みの不均一さ、光にかざしたときの独特のうねり(歪み)が存在します。昭和以降の機械プレスガラスのような均一でシャープな断面や完全な平面を持つものは、後年の製品である可能性が極めて濃厚です。
2. バーナー(口金)の刻印とネジピッチ
芯を上下させるつまみ(ハンドル)部分に注目してください。明治期のバーナーには、当時の特許を示す「PATENT」や「旭」「登録」などの漢字刻印、あるいは当時の洋灯商の屋号が打刻されています。また、ネジの規格が現代のメートル並目ねじとは異なり、手作業による微妙なピッチのズレが見られる点もオリジナルならではの特徴です。
3. 底面の「ポンテ跡」と経年変化
吹きガラスの製造工程で竿から切り離す際に生じる底面の凹凸(ポンテ跡)が、研磨されずにそのまま残っているか、手作業で荒く削られているのが明治ガラスの典型です。また、金属部分の緑青(ろくしょう)や真鍮のくすみが、薬品による人工的なエイジングではなく、自然な摩擦と空気酸化によって生じているかを確認することが肝要です。