波乱に満ちた私生活を経て、現在の小林武史が情熱を注ぎ込んでいるのは、かつてのヒットチャートを追う生活とは異なる地平です。その象徴が、千葉県木更津市にある約30ヘクタールの広大な敷地で展開される「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」の運営です。
2010年代以降、小林武史は「農業」「食」「アート」「自然エネルギー」を融合させた循環型社会の実践に深くコミットしてきました。現地では有機農業や酪農、ジビエ処理施設の運営、さらには草間彌生ら世界的アーティストの作品展示を統合したサステナブルパークを展開。かつて東京のスタジオで寝る間を惜しんで音を紡いでいた男は、長靴を履いて土に触れ、持続可能な未来社会のプロトタイプづくりに奔走しています。
もちろん、音楽活動から完全に身を引いたわけではありません。Mr.Childrenのプロデュースからは一時期離れたものの、現在も親交を保ちつつ、Salyuなどのライブ企画や映画音楽の制作、ap bank fesの主催など、メッセージ性の高い音楽活動をマイペースに継続しています。家庭や特定の配偶者に依存することなく、自己の哲学を具現化する巨大なプロジェクトに身を捧げる姿こそが、2026年現在の小林武史のリアルな実像です。