桑野信義のアイデンティティの中心にあるのは、やはりラッツ&スターのトランペッターとしての誇りです。しかし、腹部にメスを入れ、腹筋に強い力を込めることが命取りになりかねない開腹手術後、管楽器の演奏を再開することは医学的にも極めて高いハードルでした。
その復帰を誰よりも待ち望み、支え続けたのが中学時代からの幼馴染であり盟友の鈴木雅之です。鈴木雅之は闘病中の桑野に対し、「ステージにお前の居場所を必ず空けて待っている」と激励を送り続けました。
過酷なリハビリと肺活量の回復訓練を経て、桑野信義は鈴木雅之の全国ツアーのステージにゲストとして登場。スポットライトを浴びて奏でられたトランペットの音色は、技術を超えた「生の叫び」として鳴り響き、会場はスタンディングオベーションに包まれました。ネット上でも「桑マンの音色に涙が止まらない」「完全復帰を信じていた」と感動の声が溢れ返りました。