多くの来訪者がまず驚嘆するのが、エントランスでの入場手続きにおいて財布を開く場面が一切ない点です。こんにゃくパークの入場料が無料である理由は、単なるボランティア精神ではなく、製造メーカーとしての直販戦略にあります。
一般的な食品メーカーは、自社商品の認知度向上やブランディングのために多額のテレビCMやウェブ広告費(マスマーケティング費用)を投じます。運営母体である株式会社ヨコオデイリーフーズは、その広告宣伝予算をパークの施設維持費や試食用食材費へと大胆にシフトさせました。施設そのものを「巨大な体験型ショールーム」として機能させることで、中間流通マージンをカットした直販利益でコストを回収しています。
さらに、こんにゃくパークの無料バイキングの仕組みには、行動経済学でいう「返報性の原理(他者から親切や恩恵を受けると、お返しをしたくなる心理)」が巧みに組み込まれています。ラーメン風、焼きそば風、さらにはスイーツに加工されたこんにゃく料理を心ゆくまで堪能した来訪者は、「これだけ美味しい体験を無料で楽しませてもらったのだから、お土産を買って帰ろう」という心理的動機が自然と働きます。結果として、併設された直売コーナーでの客単価が引き上がり、高い利益率を確保できる好循環が完成しています。