一般的に、大学職員の定着率は高く、公表されている大学職員の離職率と実態を見れば数%台と極めて低い水準を示しています。しかし、調査報道の観点からこの数字を分解すると、欺瞞に満ちた構造が浮かび上がってきます。全体の数値を押し下げているのは、高給と既得権益に守られて居座り続けるバブル期入社のベテラン職員たちであり、20代後半から30代中途入社組の早期退職率は決して低くないという事実です。
転職サイトのクチコミや取材で集まった現役・元職員のリアルな声を検証すると、退職に至るパターンには共通点があります。
- 大手メーカー出身・30代男性の証言:「3年働きましたが、毎日が虚無でした。新しいシステムを導入しようと提案書を作成したところ、課長から『君の熱意は認めるが、波風を立てるな。定年まで無事に過ごすことが一番の仕事だ』と諭され、完全に心が折れました」
- IT企業出身・20代女性の証言:「夏休みが長いのは本当ですが、入試シーズンは土日返上でプレッシャーが凄まじい。何より、尊敬できる上司が一人もいない環境で、自分の10年後を重ね合わせたときに強い恐怖を感じて退職を決意しました」
成果を出しても評価されず、仕事をしない年配職員が自分より遥かに高い給与をもらっている。挑戦は減点対象となり、事なかれ主義がまかり通る。民間の厳しい環境で自己実現を志してきた人間ほど、この「生ぬるい停滞」に耐えられなくなり、精神的な消耗戦の末に現場を立ち去っていくのです。