妊婦の手足口病で胎児に影響は?奇形・流産リスクの真相と予防策

妊婦の手足口病で胎児に影響は?奇形・流産リスクの真相と予防策

妊婦の手足口病で胎児に影響は?奇形・流産リスクの真相と予防策について詳しく解説いたします。詳細な分析をご覧ください。

妊娠中の感染症に関する情報空間には、看過できない医学的誤解が散見されます。その代表例が「手足口病にかかると胎児の耳が聞こえなくなる」「心臓に奇形が残る」といった言説です。これは、先天性風疹症候群(CRS)を引き起こす「風疹」の情報が、手足口病と混同されて伝播したものに他なりません。

風疹ウイルスは胎盤を通過して胎児の器官形成期(特に妊娠初期)に直接細胞分裂を阻害し、白内障、先天性心疾患、難聴などを高率に引き起こします。これに対し、手足口病の原因であるエンテロウイルスには、そのような組織特異的な催奇形性は認められていません。ネット上の断片的な恐怖情報に惑わされ、不要な人工中絶を思い詰めるような事態は、医学的に完全に誤った判断です。

もう一つの盲点は、「熱が下がり、手足の発疹が消えればもう感染力はない」という誤認です。手足口病の病原ウイルスは、咽頭(呼吸器)からは発症後1〜2週間程度で消失するものの、便中には発症後2〜4週間、長ければ1ヶ月以上もウイルスが排出され続けるという特徴を持っています。一見すると完治したように見える上の子から、数週間後に妊婦へ二次感染する事例の多くは、この便中排泄ウイルスの見落としによって引き起こされています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。