薬局やドラッグストアで入手できる抗ウイルス薬の市販おすすめ製品には、大きく分けて「アシクロビル」と「ビダラビン」という2つの有効成分が存在します。いずれも第1類医薬品に指定されており、過去に医師から口唇ヘルペスの診断を受けたことがある再発患者のみが購入可能です。ただし、治りかけの結痂期においては、成分ごとの薬理作用と皮膚状態に合わせた使い分けが重要になります。
アシクロビルとビダラビンの違いを深く理解すると、ケアの精度が格段に上がります。アシクロビルはウイルスが持つ特定の酵素を足がかりにして活性化するため、増殖が極めて盛んな初期段階にシャープな効果を発揮します。一方のビダラビンは作用機序が直接的であり、基剤にも油分が多く患部を保護する性質に長けています。
しかしながら、口唇ヘルペスのかさぶたに市販薬を塗るべきかといえば、話は別です。抗ウイルス薬は「ウイルスのDNA複製を止める」薬であり、「傷ついた皮膚細胞を修復する」薬ではありません。かさぶたが完全に完成した段階ではウイルスの増殖自体はほぼ沈静化しているため、抗ウイルス外用薬の継続塗布は医学的意義が薄れます。むしろ、硬くなったかさぶたを柔軟に保ち、再生を後押しする保湿保護へと舵を切るのが理にかなったアプローチです。