ネット上の簡易な解説記事では「半角変換ならASC関数一択」と書かれているケースが目立ちますが、これには重大な盲点が存在します。代表的なのが、Mac版エクセルとWindows版エクセル間におけるテキスト共有時に発生する「Unicode正規化(NFC / NFD)問題」です。
Mac環境で入力されたデータやiOSデバイスから送信されたテキストは、濁点が基底文字と結合文字に分解された状態(NFD形式)で保持されていることが多く、これをWindows版の古い処理ロジックで扱うと、検索が一切ヒットしないゴースト文字列となります。ASC関数を通してもこの結合状態が解除されない場合があるため、濁点を含むカタカナのクレンジングには特別な警戒が必要です。
さらに見落とされがちなのが「全角スペース」の存在です。文字列の前後に紛れ込んだ全角スペースは、目視では発見が極めて困難です。ASC関数を通せば半角スペースへと変換されますが、半角スペース自体が残存していると文字列照合エラーの原因になります。実務においては、=TRIM(ASC(A2))のように、不要な空白を除去するTRIM関数とASC関数をネスト(入れ子)にして運用することが鉄則の防衛策となります。