現在、永田町と保守系知識人界隈で最も熱を帯びているのが「明治の日推進協議会」を中心とする祝日法改正運動である。同協議会は、全国の地方議会に対して「明治の日」制定を求める意見書の採択を働きかけており、これまでに過半数を大きく超える地方議会で賛成意見書が可決されてきた。
超党派で構成される「明治の日を実現するための議員連盟」は、祝日法の第2条に掲げる11月3日の名称を「文化の日」から「明治の日」に改め、その趣旨を「明治の時代を顧み、近代日本の歩みを想起し、未来の発展を期する」といった文言へと修正する法案提出を視野盤石に進めている。推進派が掲げる論拠は極めて明快だ。
- 近現代史の連続性の担保:昭和の日(4月29日)が定着した今、日本の近代化の原点である明治の歩みを回顧する祝日が存在しないのは歴史認識として片手落ちであるという主張。
- 明治天皇の功績への再評価:欧米列強の植民地化の波を退け、立憲君主制を確立して近代法治国家を打ち立てた明治天皇の徳を偲ぶことは、国民統合の観点から不可欠であるとする視点。
しかし、この運動の前には依然として分厚い壁が立ちはだかる。法改正に慎重な立場をとる陣営からは、「文化の日は文化勲章の親授式や芸術祭など、70年以上にわたって日本文化の向上を寿ぐ日として定着しており、国民の生活文化として成熟している」「名称変更によって日本国憲法公布という平和のモニュメントが薄められるのではないか」という懸念が根強く提起されている。推進派の一部からは「文化の日は残し、5月の憲法記念日と整理統合する」「別の日に文化の日を移転させる」といった妥協案も浮上しているが、祝日の純増を嫌う経済界の意向も絡み、議論は予断を許さない状況が続いている。