では、交差点内に優先標識もなく中央線も貫通していない場合、どのような基準で優先関係が決まるのでしょうか。ドライバーが現場で瞬時に行うべき優先道路の見分け方には、明確な法的一連の優先順位ピラミッドが存在します。
警察庁交通局の教則および判例実務に基づく、信号のない交差点の優先順位は以下の4段階で完全に序列化されています。
【第1優先:完全な優先道路】
交差点内に中央線が貫通している道路、または優先標識が掲示されている道路です。この道路を走行している車両は、交差点内での徐行義務と注意義務が免除(見通しの悪い交差点であっても徐行不要)されており、交差道路側に対して絶対的な優先権を持ちます。
【第2優先:幅員の広い道路(広路・狭路)】
交差点内に中央線は入っていないものの、交差する2つの道路を見比べたときに「明らかに一方が広い」関係にある場合です。この場合、幅員の広い道路(広路・狭路)の原則が適用され、広路側の車両が優先されます。ただし、完全な優先道路とは異なり、広路側の車両であっても「交差点を通過する際は安全な速度で進行する義務」が課され、完全な無過失にはなり得ません。
【第3優先:一時停止・規制標識がある交差点】
道幅が同程度であっても、一方の進入路に「一時停止(止まれ)」や「徐行」の規制標識・道路標示がある場合です。言うまでもなく、優先道路と一時停止の関係においては、標識のない側の道路を走る車両が優先されます。一時停止側の車両は、停止線の直前で完全にタイヤを静止させ、左右の安全を直接確認するまで交差点に進入できません。
【第4優先:同幅員・規制なし交差点(左方優先の原則)】
住宅街に多発する「幅員がほぼ同じで、中央線も標識も一切ない四差路」です。ここで適用されるのが、道路交通法第36条第1項第1号に定められた左方優先の原則です。自分から見て「左側の道路から進行してくる車両」を優先させなければなりません。直進同士であっても、右側から進入する車両は左側の車両に進路を譲る法定義務があります。
また、交差点内において直進する車両と右折する車両が交差する場合は、当然ながら交差点内の直進車優先(同法第37条)が適用されます。広路・狭路の上下関係や左方優先のルールに、さらに直進・右折の優劣が組み合わさることで現場の優先関係が確定します。