厚生労働省が公表するデータにおいて、近年の理学療法士国家試験 合格率はおおむね75%〜85%前後で推移しています。医師国家試験の約90%にこそ及ばないものの、社会福祉士の約30〜40%や宅建士の約15〜17%と比較すれば、一見すると「誰でも受かる試験」のように映るかもしれません。しかし、これこそが受験希望者を惑わす最大の盲点です。
ネット上で「理学療法士は受からない」「想像を絶する厳しさ」と囁かれる背景には、国家試験そのもののハードルというよりも、受験資格を得るまでの過酷な選別システムがあります。多くの養成校では、学校の合格実績を維持するために極めて厳しい卒業試験を課しており、合格見込みの薄い学生は容赦なく留年や卒業延期に追い込まれます。実際、入学時に80名いた同級生が、ストレートで国家試験を受験できたのは50名程度に絞り込まれていたという現場の声も珍しくありません。
さらに、試験本番の理学療法士 合格基準点 ボーダーも緻密に設計されています。試験は全280点満点(一般問題160点+実地問題120点)で構成され、原則として総得点168点以上(60%以上)を満たす必要があります。これに加えて、臨床現場の判断力を問う実地問題で43点以上(約35%以上)の配点をクリアしなければ、たとえ総得点が基準を超えていても足切りで即不合格となります。見かけの合格率に甘んじて過去問の丸暗記だけで挑んだ受験生が、臨床思考を問う難問に跳ね返される事例は後を絶ちません。