インターネット上の地図アプリやSNSで「棚下不動の滝」を調べると、「現在も立ち入り禁止なのではないか」「通行止めで滝壺まで行けない」という不安の声が散見されます。結論から言えば、2026年現在、棚下不動の滝(雄滝)への遊歩道は通行可能です。滝壺周辺の散策はもちろん、かつて多くの人々を魅了した滝裏の空間へ足を踏み入れることができます。
ではなぜ、いまだに閉鎖されているかのような噂が根強く残っているのでしょうか。その発端は、2011年3月11日の東日本大震災に遡ります。地震の激しい揺れによって赤城山の溶岩断崖が大規模に崩落し、巨石が遊歩道や手すりを押し潰しました。落石の危険性が極めて高いと判断されたことから、現地は直ちに全面立ち入り禁止の措置が取られたのです。
その後、渋川市商工観光部による地質調査や安全対策の検討が重ねられましたが、崩落現場の険しさと度重なる豪雨被害により、復旧には長い歳月を要しました。沈黙が破られたのは2020年8月のことです。防護柵の設置や階段・手すりの再整備が完了し、実に約10年ぶりに通行止めが正式に解除されました。現在ネット上に残る「立ち入り禁止」の表記は、この約10年間にわたる長期閉鎖時の情報が更新されないまま放置されているか、台風や集中豪雨の直後に一時的に出される臨時通行止め情報と混同されたものと考えられます。