幼少期からの癖が抜けず、大人になっても無意識のうちにやってしまいがちな持ち方のNG例が存在します。本人はリラックスして食べているつもりでも、対面する相手には幼さや粗野な印象を与えてしまう危険性を孕んでいます。
代表的なNG所作の筆頭が「鷲掴み(わしづかみ)持ち」です。手のひら全体で茶碗の側面を覆うようにガッシリと抱え込む持ち方で、男性に多く見られます。器の美しい絵付けを掌で隠してしまううえ、力任せに食べているような印象を与えます。また、親指以外の4本の指を大きく広げて器の底を鷲掴みにする「熊手持ち」も、粗雑に見えるため厳禁です。
次に女性にも散見されるのが「手のひら乗せ」です。高台を指先で支えず、手のひらを完全に開いてその上にお茶碗をペタリと乗せてしまうスタイルです。一見おしとやかに見えると誤解している方もいますが、器の重心がグラつきやすく、少し手がぶつかっただけで落下する恐れがあるため、正式な和食作法では不作法と見なされます。
さらに見落としがちなのが、親指をお茶碗の内側にグッと深く差し入れる持ち方です。特に大盛りご飯を食べるときや片手で急いで持とうとすると、親指の腹が白米に触れてしまうことがあります。これは同席者に強い不潔感を与える行為です。テーブルマナーにおいて「器の内側には料理と箸以外を入れない」のが鉄則と心得ておきましょう。