調査機関や専門メディアのアンケートによると、愛猫と一緒に寝室を共にしている飼い主は全体の70%から80%という極めて高い水準で推移しています。完全室内飼育が定着した現在、猫にとって飼い主のベッドは「最も安全が保障されたなわばりの聖域」です。では、そもそも猫と一緒に寝る心理の根底には何が存在するのでしょうか。
最大の要因は「母親への甘え(幼児返り)」と「安心感の共有」です。自然界の猫は成猫になると単独で眠りますが、人に飼われている猫は生涯にわたって子猫の気分を残す「ネオテニー(幼形成熟)」の傾向を持ちます。飼い主を母猫のような存在として認識し、安心できる温もりと匂いを求めて寄り添ってくるのです。
しかし、多頭飼育の家庭や家族世帯において、猫は「誰とでも等しく寝る」わけではありません。そこには猫の寝る位置でわかる家族の順位や、パートナー選びの明確な選定基準が存在します。現場のブリーダーや獣医師の観察によると、猫が添い寝の相手として選ぶ人物には共通する3つの特徴があります。
第1に「寝相が穏やかで寝返りが少ないこと」。突発的な寝返りで身体を圧迫されたり、蹴飛ばされたりした記憶がある人物を猫は避けます。第2に「低刺激で落ち着いた声と匂い」。強い香水や柔軟剤の人工香料を嫌い、体臭が穏やかで安心できる人物を選びます。そして第3が「干渉しすぎない距離感」です。寝床に入ってきた瞬間に無理やり抱きしめたり過剰に撫で回したりせず、猫のペースでリラックスさせてくれる人を、猫は本能的に「最も信頼できる添い寝相手」として最優先に指名します。