日本の文化圏では、家族や友人に面と向かって「愛してる」と伝える習慣はあまり一般的ではありません。しかし韓国の日常会話では、驚くほどカジュアルかつ温かい頻度で「サランヘ」や「サランヘヨ」が飛び交います。
この背景には、韓国固有の「情(チョン / 정)」の文化と、仲間を身内として包摂する「ウリ(우리=私たち)意識」の強さがあります。電話を切る間際の「オンマ、サランヘ~(お母さん、愛してるよ)」は日常的な挨拶代わりであり、親しい同性の友人同士でも、助けてもらったお礼として「コマウォ!サランヘ!(ありがとう!大好き!)」と軽やかに口にします。
さらにK-POPカルチャーにおいては、アーティストとファンダムを結ぶ合言葉として定着しています。歌詞の中はもちろん、コンサートのエンディングトークでアイドルが「サランハムニダ!」と叫ぶのは、ファン一人ひとりに対する深い敬意と感謝の表明であり、恋愛感情を超えた連帯のメッセージとして機能しています。