黒田さんの逝去後、sumikaは予定されていた複数の出演イベントやツアーの見合わせを発表し、一時的な活動休止状態に入りました。しかし、歩みを完全に止めることはありませんでした。
2026年5月14日、バンドは結成10周年の記念碑的公演であった横浜スタジアム単独ライブ『sumika 10th Anniversary Live『Ten to Ten to 10』』を開催。約3万3,000人の観客が見守る中、ステージ中央には黒田さんの愛用ギターとアンプが据え置かれました。
ボーカルの片岡健太さんは、MCやその後の各種インタビュー、自著の中で「隼之介がいたから今のsumikaがある」「隼之介の席はずっと空けておく」という確固たる信念を明かしています。この言葉通り、sumikaは現在に至るまでギターの正式な後任メンバーを加入させていません。
2026年現在のsumikaは、以下の3名の正規メンバーによって構成されています。
- 片岡健太(Vo/Gt):フロントマンとしてバンドの言葉と音楽を牽引
- 小川貴之(Key/Cho):色彩豊かな鍵盤とボーカルワークでサウンドを支える
- 荒井智之(Dr/Cho):バンドのリーダーであり、盤石のリズムを刻み続ける
ライブやレコーディングにおいては、井手上誠さんや佐々木“コジロー”貴之さんといった、かねてよりバンドと親交の深い実力派サポートギタリストたちが黒田さんのパートを尊重しながら演奏を支えています。黒田さんが紡いできたギターソロやフレーズのニュアンスを大切に継承しつつ、3人が新たなsumikaの音を響かせ続けている姿は、多くのファンに勇気を与えています。
【プロの結論】喪失からの再生と音楽リスナーが持つべき心理的境界線
心理学やグリーフケア(悲嘆の受容プロセス)の視点から見ても、sumikaメンバーが辿ってきた道のりは極めて誠実で力強いものです。深い喪失(ロス)を経験した際、無理に忘れることや代わりを用意することではなく、「故人の存在と生きた証を抱えながら、新たな日常を再構築する」ことが最も健全な回復への道とされています。
リスナーである私たちに求められるのは、好奇心から死因の真相を暴こうとすることではなく、故人が心血を注いだ音楽を聴き続けること、そして前に進むメンバーを温かく応援することです。心理的なバウンダリー(境界線)を保ち、公式が発信した情報に誠意を持って向き合う姿勢こそが、最良の追悼につながります。