熱なしの喉の痛みはなぜ続く?コロナ・逆流性食道炎の見分け方と対処法

熱なしの喉の痛みはなぜ続く?コロナ・逆流性食道炎の見分け方と対処法

熱なしの喉の痛みはなぜ続く?コロナ・逆流性食道炎の見分け方と対処法とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。

「熱がない=軽症」という認識は、現代の医療現場において完全に過去の常識となりつつあります。発熱は体が病原体と戦う免疫反応の一環ですが、ウイルスの変異、過去のワクチン接種歴や獲得免疫、あるいは非感染性の炎症によって、発熱中枢が刺激されず喉の粘膜局所のみに強い炎症がとどまる事例が頻発しています。熱がないのに喉の痛みが続く場合、まず疑うべき5つの主要原因が存在します。

第1に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症・初期症状です。オミクロン系統以降の変異株では、肺胞よりも上気道(特に喉や鼻)の粘膜で爆発的に増殖する傾向が顕著です。過去の感染歴やワクチン接種によって基礎免疫を持つ成人では、全身性の発熱反応が抑制され、「喉の激痛だけが先行する」ケースが臨床データでも多数報告されています。

第2に、A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染症です。子どもの病気と思われがちですが、大人にも感染します。大人が感染した場合、典型的な高熱が出ず、微熱や平熱のまま「喉の奥が真っ赤に腫れ上がり、つばを飲み込むのもつらい」という強い咽頭痛だけが前面に出ることが珍しくありません。放置するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。

第3に、逆流性食道炎(咽喉頭酸逆流症)です。胃酸や消化酵素が食道を逆流し、喉仏のあたりまで到達して粘膜を化学的に刺激・損傷します。特に就寝中に胃酸がせり上がり、朝起きたときに喉のヒリヒリ感や違和感がピークに達するのが特徴です。当然ながら感染症ではないため、発熱は一切認められません。

第4に、花粉症やハウスダストによるアレルギー性咽頭炎です。アレルゲンによって鼻水が喉の奥へ垂れ込む「後鼻漏(こうびろう)」が起きると、気道粘膜が持続的に刺激され、咳や喉の痛みを誘発します。春のスギ・ヒノキだけでなく、秋のブタクサや通年のダニ・カビなどによる慢性的な咽頭痛の主因です。

第5に、空気の乾燥や声帯の酷使、口呼吸による物理的ダメージです。エアコンの連続稼働や睡眠時の口呼吸により、喉の粘膜を保護する粘液層が干からびると、バリア機能が低下して局所的な急性咽頭炎を引き起こします。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。