その筆頭と言えるのが、小学館の週刊ビッグコミックスピリッツで連載され大きな反響を呼び続けている『九条の大罪』だ。『闇金ウシジマくん』で社会の最底辺を容赦なく描いた真鍋昌平が鋭く切り込むのは、半グレや裏社会の人間を顧客にする異色の弁護士・九条間人(くじょうたいざん)の姿である。倫理的にアウトに見える依頼人であっても、法のもとの平等と擁護の精神を貫く姿勢は、読者に強烈な困惑と問いを突きつける。
本作が暴き出すのは、「道徳的正義」と「法的正義」のズレだ。法律業界の専門家からも「弁護士の職務信条と社会的感情の相克をこれほど残酷に抉り出した作品はない」と高く評価されており、従来のダークヒーローものとは一線を画す傑作として不動の地位を築いている。