Abcd包囲網の真相|石油禁輸から日米開戦へ至った昭和史の教訓

Abcd包囲網の真相|石油禁輸から日米開戦へ至った昭和史の教訓

Abcd包囲網の真相|石油禁輸から日米開戦へ至った昭和史の教訓に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。

昭和史を学ぶ上で多くの人が陥りがちな誤解が、「米英中蘭の4か国が最初から日本を軍事侵略するために綿密な同盟を結んでいた」という認識です。しかし、近年の外交史料研究では異なる実態が明らかになっています。

第1に、ABCD包囲網という名称自体が、日本側が危機を強調するために広めた側面を持っています。当時、米国務省や英外務省が「ABCD Alliance」という単一の軍事同盟条約を結んでいたわけではありません。各国は自国の防衛ラインと通商権益を守るために個別に経済制裁を強化した結果、日本から見て全方位が塞がれた状態となったのです。

第2に、アメリカのルーズベルト政権内部でも、最初から全面禁輸を意図していたわけではありませんでした。国務省事務レベルの判断や対日強硬派の強引な法解釈によって「事実上の全面禁輸」へと段階的にエスカレートしていった経緯があり、外交的な抑止が意図せぬ形で開戦へのタイムリミットを作り出してしまったという二重のボタンの掛け違いが存在しました。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。