姉のエミが家庭に入った一方、妹の伊藤ユミは生涯独身を貫いた。引退後は東京都内のマンションで暮らし、料理や趣味を楽しみながら、静かなプライベートライフを送っていたという。周囲の住民も、彼女がかつて日本中を席巻したザ・ピーナッツの「伊藤ユミ」であることを意識させないほど、飾り気のない人柄だった。
2012年に愛する姉・エミを失ったショックは計り知れず、ユミの心に深い傷を残した。しかし、最期まで自分たちの美学を守り抜いた。2016年5月、75歳で亡くなった際も、葬儀は親族のみでひそやかに行われ、死去の事実が発表されたのは四十九日を過ぎてからのことだった。最期まで「ザ・ピーナッツ」としての美学を汚さず、静かに旅立った彼女の生き様は、今も多くの人々の胸を打つ。