このキラーフレーズが生み出された源流は、竹書房のWebコミック配信サイト「まんがライフWIN」で連載がスタートした大川ぶくぶ氏の代表作『ポプテピピック』です。短い身丈に巨大な瞳を持つ主人公のポプ子とピピ美が繰り広げる、既存のサブカルチャーやネットスラング、さらには掲載元である出版社そのものを徹底的に挑発・破壊するアンチ・コメディとしてカルト的な熱狂を巻き起こしました。
問題のシーンが収録されているのは、ファン必携の単行本『ポプテピピック』原作第1巻です。エピソードのなかで、ポプ子が投げかけた言動やシチュエーションに対し、ピピ美が冷静かつ客観的な指摘、あるいは些細な疑問を投げかけた瞬間、ポプ子が目を丸く見開き、威圧的な指差しとともに放った一言こそが「さてはアンチだなオメー」でした。
客観的に見れば正論を述べたに過ぎない相手に対し、一切の論理的対話を放棄して即座に「アンチ」という強烈なレッテルを貼り付ける理不尽さ。このスピード感と表情のシュールさが読者のツボを直撃し、公開直後から画像キャプチャとともにネット掲示板やSNSへ凄まじい勢いで拡散していきました。
さらにブームを決定づけたのが、2018年冬に放送され社会現象となったTVアニメ『ポプテピピック』の存在です。同一エピソードの前半と後半でキャスト声優を総入れ替えする前代未聞のギミックで話題をさらった本作ですが、この名セリフはアニメ本編の各所やアイキャッチ、公式プロモーション映像でも印象的に活用されました。「大御所声優による怪演」が乗ることで、活字以上のインパクトを伴って一般層にまで浸透した経緯があります。