本作の最大の推進力は、主人公・堂島旺太郎を取り巻く強烈なキャラクター造形と、回を追うごとに変化する力関係にあります。金と野望のためにセレブ令嬢を狙う旺太郎と、彼を取り巻く主要人物の関係性は下図のような緻密な連鎖で結ばれていました。
【トドメの接吻 人物関係構図】
[堂島旺太郎(エイト)]──(契約・共犯関係)──>[佐藤宰子(キス女)]
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(標的) (毒牙) (過去の罪悪感)
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[並樹美尊(令嬢)]<──(過剰な執着・血縁なき兄)──[並樹尊氏(御曹司)]
▲ │ (敵対・嫉妬)
│(幼馴染の好意) ▼
[長谷部寛之] [堂島旺太郎]
[小山内和馬(後輩ホスト)]──(歪んだ崇拝・暴走)──>[堂島旺太郎]
[春海一徳(謎のストリートミュージシャン)]──(超越的助言・観察)──>[堂島旺太郎]
山﨑賢人(堂島旺太郎/ホスト名:エイト)は、少年期に起きた豪華クルーズ船沈没事故で家族を失い、父が巨額の賠償金を背負ったトラウマから「愛は人を不幸にする、信じられるのは金だけ」という極端な利己主義者へと変貌した青年です。冷徹に女性を手玉に取る彼が、不可解な死のループを通じて人間性を取り戻していくプロセスが見事に描かれました。
門脇麦(佐藤宰子)は、旺太郎に死のキスを与える謎めいた女性。彼女自身もかつてのクルーズ事故に深い傷を抱えており、自らの特殊能力を「呪い」と捉えながらも、旺太郎の野望を叶えるためにその運命を共にしていきます。無表情の奥に秘めた切ない献身は、物語の感情的支柱となりました。
新田真剣佑(並樹尊氏)は、日本屈指のホテル王・並樹グループの養子にして完璧な御曹司。義妹である美尊を守るという純粋な責任感が、旺太郎の策略によって次第にどす黒い独占欲と狂気へと歪んでいく変貌ぶりは、本作屈指のサスペンスを生み出しました。
新木優子(並樹美尊)は、莫大な遺産を約束された美しき令嬢。世間知らずで純真ゆえに旺太郎の標的となり、尊氏と旺太郎の間で激しく揺れ動く運命に翻弄されます。さらに、美尊を一途に想い続ける御曹司グループの佐野勇斗(長谷部寛之)、旺太郎を盲信し凶行に走る後輩ホストの志尊淳(小山内和馬)、そして狂言回しのように要所で現れる謎の路上生活者・菅田将暉(春海一徳)が、物語の多面的な面白さを強固に構築しました。