「HE IS MINE」という英語タイトルは、直訳すれば「彼は私のもの」。しかし、楽曲の中で紡がれるのは、決して相思相愛で結ばれた甘い恋人同士の物語ではありません。描かれているのは、「恋人未満の曖昧な関係」であり、夜の終わりにホテルへ向かう男女の生々しい実情です。
歌詞全体を通して見えてくるのは、強がりながらも相手に執着してしまう痛々しいほどの情念です。「送り狼」や「ベッドの端」といった情景描写は、単なる肉体関係の描写にとどまらず、心を通わせきれない二人の心理的距離を克明に浮き彫りにします。タイトルを女性目線の「HE IS MINE」と冠しながら、尾崎世界観特有のハイトーンボイスで歌われることで、男側の情けなさや女側の独占欲が複雑に交錯し、聴く者の胸を締め付けます。
表面的な言葉の過激さに気を取られがちですが、根底に流れているのは「誰かの一番になりたいのに、なれない」という普遍的な孤独感です。この残酷なまでのリアリズムこそが、多くのリスナーの共感を呼び続けている最大の要因と言えます。