政治・行政の世界は苛烈だ。個人のプライベートなスキャンダルは、直ちに党の主要政策にまで影を落とす。当時、国民民主党が最優先課題として掲げていた「103万円の壁見直しプロジェクト」は、まさに手取りを増やす政策として現役世代から絶大な支持を集めていた最中だった。
不倫報道によって一時はプロジェクトの推進力低下が懸念された。しかし、代表留任という決断を裏で支えたのは、ほかでもない妻の「公人としての責務を果たしなさい」という暗黙の背中押しだった。結果として政策議論の失速は最小限に抑えられ、衆議院での野党交渉においても存在感を維持し続けることができた。