『鎌倉殿の13人』において、視聴者が息を呑んで見守った頼朝の退場劇は、第25回「天が与えた命」から第26回「いびつな真実」にかけて極めてドラマチックに描かれました。第25回のラスト、相模川の橋供養を終えて帰路についた頼朝が、意識を失い馬上から崩れ落ちるシーンで幕を閉じ、続く第26回で静かに息を引き取ります。
三谷幸喜氏による脚本の真骨頂は、単なる歴史的事実としての落馬にとどめず、それまでに頼朝自らが下してきた「粛清の因果」を伏線として回収した点にあります。源義高や阿野全成らの怨霊に怯え、神仏の加護を失っていく頼朝の孤独と精神的崩壊を丁寧に積み重ねた上での落馬でした。
放送当時のネットの反応は凄まじく、SNS上では「不吉な予兆の演出が怖すぎる」「あれほど憎らしかった頼朝なのに、最期はあまりに切ない」といった声が溢れ返り、トレンドを独占しました。絶対的な権力者が死を迎える瞬間の儚さを、映像表現として極限まで高めた名シークエンスです。