日本がもんじゅの撤退に追い込まれた一方で、世界のエネルギー市場における高速炉開発のレースは衰えるどころか激化している。特に注目されるのが、米ビル・ゲイツ氏が設立したテラパワー社によるナトリウム冷却高速炉「ナトリウム(Natrium)」の建設プロジェクトや、中国が進める実証炉の稼働だ。
アメリカや中国は、もんじゅの失敗や欧州のデータを徹底的に分析し、運転員の手を介さずに自動停止・冷却する「自然安全システム」を取り入れた新世代炉の商用化を急ぐ。対照的に、日本はもんじゅという実用プラントの運転ノウハウを蓄積する貴重な機会を失い、国際共同開発の枠組みにおいて「技術提供国」から「出資国」へと地位を低下させかねない危機に直面している。