毎年のテレビ局アナウンサー採用は、倍率が500倍から1,000倍を超える超難関試験として知られています。アナウンススクールに百万円単位の学費を投じ、熾烈な競争を勝ち抜いて入社した若手を待ち受けているのは、きらびやかな世界だけではありません。
関係者の証言や元地方局アナの手記・インタビューで浮き彫りになっているのは、地方アナウンサーの待遇実態における過酷なマルチタスクです。地方局では人員削減が進んだ結果、アナウンサーが自ら取材車を運転し、カメラを回し、原稿を執筆した上でスタジオに戻って生放送で読み上げる「ワンマン業務(記者兼アナウンサー)」が常態化しています。
さらに深刻なのが、地方局に蔓延する「契約アナウンサー」の雇用問題です。正社員採用を絞り、1〜3年の有期雇用契約で採用される女性アナウンサーが多く、給料は手取りで月額18万〜22万円程度。衣装代やメイク代が自腹となるケースも多く、生活を維持しながら次のステップ(キー局のオーディションやフリー事務所への移籍)を目指す下積み生活を強いられています。SNSでの華やかな投稿とは裏腹に、現場では極めてタフな精神力と自己投資が求められているのが実態です。