SNSやネット掲示板などで取り沙汰される「ブロン乱用」や「咳止めオーバードーズ(OD)」の主因となっているのが、このコデイン系成分です。若年層を中心に、精神的苦痛の緩和や陶酔感を求めて大量摂取する事例が社会問題化しています。
リン酸コデインの依存性の真相を探ると、適正用量を短期間(数日から1週間程度)服用している限り、精神的依存に陥るリスクは極めて低いことが薬理学的に証明されています。しかし、規定量を大幅に超えて連用すると、体内で生成されるモルヒネの血中濃度が急上昇し、脳内の報酬系(ドパミン神経系)を刺激して強い多幸感をもたらします。これが「薬が切れると強い不安や不快感に襲われる」精神的依存、さらには身体的依存(退薬症候)へと直結するのです。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会資料によると、薬局店頭における販売時の声掛け徹底や、濫用防止を目的とした個数制限など、リン酸コデインの乱用規制は年々厳罰化されています。救急搬送現場の医師からは「市販の咳止め薬であっても、多量服薬による急性中毒で呼吸不全や意識障害を引き起こす症例が後を絶たない」という警告が発せられており、医療用・市販用を問わず厳正な自己管理が求められています。