小田和正氏の家族構成を調べる読者の多くが関心を寄せるのが、「子供の有無」とその理由です。公認のバイオグラフィーおよび各種報道記録において、小田和正夫妻に子供がいないことは事実として知られています。
ネット上では不妊治療の噂や様々な憶測が飛び交うことがありますが、小田氏本人が公の場で子供に関するネガティブな理由を明かしたことは一度もありません。取材データや当時の活動背景から見えてくるのは、以下のような構造的要因です。
第一に、結婚直後から続いたオフコースの過密スケジュールとグループの存続危機です。1982年の鈴木康博氏の脱退表明、その後の活動休止期間、そして4人体制での再始動から1989年の解散に至るまで、小田氏は全責任を背負い、精神的・肉体的に極限状態のなかで創作活動を続けていました。
第二に、小田和正というアーティストが持つ極めて高いプロ意識です。東北大学工学部建築学科を卒業し、早稲田大学大学院で修士号を取得した小田氏は、論理的思考と妥協を許さない完璧主義で知られます。自らの人生の優先順位の頂点に「音楽」を据え、パートナーである雅代さんとも「依存し合わない自立した大人同士の関係」を築き上げた結果、子供を持たずに二人で歩む道を選んだというのが、関係者の間での共通した見立てです。