教習指導員の現場観察によると、S字カーブでタイヤを縁石に乗り上げてしまう教習生の約8割が「曲がり角の内側ばかり凝視している」状態に陥っています。クルマは構造上、前輪よりも後輪が内側を通る内輪差が発生するため、前輪が縁石から十分離れていても、後輪が縁石を巻き込んでしまう現象が頻発します。
特に多い失敗パターンが、カーブ進入時に「外側の縁石にぶつかるのが怖い」と感じて早くハンドルを切りすぎてしまうケースです。この早すぎる操舵により、車体がカーブの内側に寄りすぎ、結果として後輪が内側の縁石に乗り上げます。逆に、外側への膨らみを恐れて減速を怠ると、遠心力と操舵遅れが重なって前輪が外側の縁石を乗り越える外輪差・アンダーステアの罠にはまります。
車体感覚の掴み方が定まっていない段階では、「運転席がカーブの中央をトレースする」のではなく、「助手席や外側の車体側面を外側の縁石に沿わせる」という外側意識の欠如が、脱輪を引き起こす決定打となっています。