1980年の秋、ニューヨーク州サリバン・カウンティ・コミュニティ・カレッジに新入生として足を踏み入れたロバート(ボビー)・シャフランは、初対面のはずの学生たちから次々と親しげに声をかけられ、女性からは熱烈なキスをされるという異様な事態に直面しました。彼らは皆、前年に同校を去った「エディ・ガランド」という学生とボビーを完全に混同していたのです。
友人の仲介でエディの自宅を訪ねたボビーは、ドアが開いた瞬間に自分自身の鏡像を見ているかのような衝撃を受けました。二人は誕生日が1961年7月12日で一致し、同じ養子縁組仲介機関から引き取られていたことから、生き別れの双子であることが判明します。この奇跡の再会劇は地元紙で大きく報じられましたが、物語はそこで終わりませんでした。新聞に掲載された二人の写真を見たデイヴィッド・ケルマンが「自分も同じ顔をしている」と名乗り出たことで、彼らは「生き別れの一卵性三つ子」であることが発覚したのです。
笑顔や仕草、吸っていたタバコ(マールボロ)の銘柄、高校時代に熱中したレスリング競技、果ては好みの女性のタイプに至るまで驚くほどの一致を見せた3人は、瞬く間に全米のテレビ番組(『ザ・トゥナイト・ショー』など)に引っ張りだことなりました。映画『スーザンをさがして』(1985年)にマドンナとカメオ出演を果たし、後にはマンハッタンのソーホー地区に「トリプレッツ(Triplets)」という名のレストランを共同経営して年間100万ドル以上の売上を記録するなど、富と名声をほしいままにしました。