愛宕念仏寺の境内は山裾の傾斜地を巧みに生かした立体的な構造になっており、羅漢像以外にも見逃せない貴重な文化財と体験型スポットが凝縮されています。
境内中央に鎮座する「本堂(重要文化財)」は、鎌倉時代中期に再建された優美な入母屋造の建築です。堂内に安置されている本尊「厄除千手観世音菩薩」は、古くから悪霊を退散させ厄難を払う観音様として信仰を集めてきました。堂内の厳かな空間に身を置くと、外の羅漢像の賑やかさとは対照的な、深い静寂に包まれます。
境内入り口近くにある「ふれ愛観音堂」も見落とせません。この観音像は西村公朝師が「目の不自由な方でも、手で直接触れることで仏の慈悲を感じてほしい」との願いを込めて自ら彫り上げたものです。誰でも自由に両手で触れることが許されており、長年にわたって数え切れない参拝者の手で撫でられてきたため、ブロンズの表面は滑らかで黄金色の温もりを帯びています。
さらに、境内奥の高台にそびえる「三宝の鐘」は、「佛・法・僧」の三宝を象徴する3つの鐘が配置された珍しい鐘楼です。参拝者は自ら紐を引き、それぞれの鐘を打ち鳴らすことができます。3つの鐘が奏でる澄み切った和音は、嵯峨野の山裾に心地よく響き渡り、日々の心の澱を清めてくれます。
参拝の証である御朱印は、拝観受付・寺務所にて授与されています。本尊「厄除千手観音」の墨書と朱印が施された力強い筆致の御朱印(初穂料300円)が定番です。また、オリジナルの御朱印帳には愛らしい羅漢像のイラストや意匠が施されており、寺巡りの記念として高い人気を博しています。