映画『カラダ探し』最大のハイライトにして最大の謎を残したのが、クライマックスからエンドロール後(ポストクレジット)にかけての怒涛の展開です。深夜の校舎で繰り広げられた絶望的なデスループを抜け出した6人の高校生に、一体何が起きたのかを順を追って検証します。
主人公の森崎明日香(橋本環奈)をはじめとする6人は、幾度もの惨劇と死を繰り返しながら、バラバラにされた被害者の体(両手・両足・胴体など)を礼拝堂の棺桶へと運び込みます。最後に残された「頭部」は、巨大化した怪物エミリーの胎内に飲み込まれていました。高広(眞栄田郷敦)の命を賭したアシストと仲間たちの連携により、明日香は頭部を棺桶に納めることに成功し、ついに「カラダ探し」のルールを完遂します。
翌朝、明日香は自室のベッドで目を覚まします。カレンダーの日付はループし続けていた「7月5日」から、ついに「7月6日」へと進んでいました。登校した学校では、これまで孤立していた明日香を含め、6人が互いの記憶を失っているかのように見えましたが、礼拝堂前で高広の落としたネクタイピンを拾った瞬間、共有したはずのない絆と記憶の残滓がフラッシュバックし、全員が微笑み合って日常を歩み出す――という爽やかな大団円を迎えます。
しかし、物語はここで終わりません。スタッフロールが流れ切った後、不気味なカメラワークは校舎の片隅にある古井戸の底へと潜入します。そこに沈んでいたのは、1976年に起きた陰惨な少女殺害事件を報じる古い新聞の切り抜きでした。次の瞬間、紙面の活字がひとりでに組み変わり、見出しが「小野山美子ちゃん殺害事件(当時8歳)」から「森崎明日香さん殺害事件(当時高校生)」へと変貌。掲載されていた被害者写真も、美子の顔から明日香の顔写真へと書き換わって暗転します。
このラストシーンが意味する構造について、映画ファンの間では主に2つの仮説が議論されています。
1つ目は、「明日香自身が次の赤い人(呪いの依り代)に選ばれた」という説です。カラダ探しをクリアした者は呪いから完全に解放されるのではなく、最後のピースを納めた人物が次の怪異の核としてターゲットに固定されるというタイムループの呪縛です。2つ目は、「過去の惨劇そのものが改変され、別の時間軸(パラレルワールド)に囚われた」という解釈です。いずれにしても、制作陣が明確に「呪いの連鎖は終わっていない」という強烈なメッセージと続編への布石を残したことは間違いありません。