レンコンを切った直後から徐々に断面が紫がかった灰色や黒色に変色していく現象は、レンコンに含まれるポリフェノールの一種「タンニン」が空気に触れて酸化することが原因です。ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素が活発に働くことで色素が沈着し、見た目を損ねてしまいます。
さらに、レンコンは乾燥に弱く、水分が蒸発すると急速に硬化し、繊維が筋張って食感が損なわれます。泥付きの状態で湿度が保たれている間は長持ちしますが、表面を水洗いして空気に晒した瞬間から劣化スピードは一気に加速します。
この酸化反応を抑えるための王道が、調理前のレンコンの下処理とアク抜きです。水1リットルに対して酢小さじ1〜2程度を加えた酢水に約3〜5分さらすことで、ポリフェノールオキシダーゼの働きを酸の力で不活性化させ、変色を劇的に防止できます。ただし、酢水に10分以上長く浸けすぎると、レンコン本来の風味やビタミンC、カリウムなどの水溶性栄養素が流出してしまうため、短時間で手早く引き上げるのがプロの鉄則です。