インターネット上では「単なる思いつきでバンドを増やしているのではないか」「全部同じ曲調に聴こえるのではないか」といった誤解が一部で見受けられます。しかし、実際の制作プロセスを精査すると、明確な戦略と棲み分けが存在します。
川谷自身は各プロジェクトにおいて、明確に「誰が歌うか」「誰が演奏するか」によってコード感やリズムパターンを完全に切り替えています。例えば、ゲスの極み乙女では鍵盤とベースの複雑な掛け合いを主軸にし、indigo la Endではギターのアルペジオと哀愁あるメロディを最優先にするなど、プレイヤーの特性を120%活かすアプローチを徹底しています。
「多作=粗製乱造」という世間のステレオタイプを完全に覆し、量と質を最高水準で両立させている点こそが、表面的なパブリックイメージと現場の実態との間にある決定的なギャップです。