政令指定都市全20市の一覧と真実|中核市との違い・財政の光と影

政令指定都市全20市の一覧と真実|中核市との違い・財政の光と影

政令指定都市全20市の一覧と真実|中核市との違い・財政の光と影を詳しくリサーチ! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。

多くの地方都市が政令指定都市を目指す最大の動機は、「行政のスピード感向上」と「都市ブランド・財政面の優遇」にあります。しかし、看板の獲得と引き換えに背負うコストと構造的リスクも少なくありません。

政令指定都市が享受する財政・制度上のメリット

第一に、財政規模の拡大と起債の自由度です。政令市には地方交付税の算定において「大都市特例」が適用され、都市特有の需要(高密度インフラや治安維持)に応じた割増算定が行われます。また、「当せん金付証票法」に基づき、都道府県と同様に市独自で「宝くじ」を発行・発売することが認められており、その収益金(年間数十億〜百億円規模)を貴重な自主財源として活用できます。

第二に、都道府県を介さないダイレクトな意思決定です。国との直接協議が可能になり、都市計画道路の建設や大規模開発の認可が市単独の判断でスピーディに進められるようになります。

現場を苦しめるデメリットと「二重行政」のリアル

一方で、指定に伴う重いコスト負担は深刻です。行政区ごとに区役所庁舎を建設・維持し、区長や職員を配置するための固定経費(人件費・庁舎維持管理費)が永続的に発生します。

さらに深刻なのが、都道府県との「二重行政」の摩擦です。大阪における「府と市」の対立に代表されるように、県立と市立の病院、大学、文化ホール、産業振興施策が重複投資となり、無駄な税金が投じられるケースが全国で問題視されてきました。また、道路や河川の管理権限が移譲されたものの、それに伴う財源(地方税の配分割合)が十分に伴っていないとする「権限と財源のアンバランス」も市長会から常に国へ是正要望が出されています。

市民目線で見ると、「政令市になっても住民税や固定資産税の税率は原則として変わらない」ため、目に見える税負担減はなく、むしろ広大な合併市においては「旧周辺部の支所機能が縮小し、中心部偏重の行政になった」という不満の声が現場取材でも散見されます。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。