目の異変が話題になった際、初期に最も広く拡散されたのが「レーシック手術の後遺症・失敗説」でした。本田は2012年6月に都内の眼科クリニックでレーシック手術を受け、視力が0.4から2.0へ回復したことを公表しています。この時期と異変のタイミングが近かったため、「手術で過矯正が起きた」「角膜の異常で目が開いてしまった」という憶測が独り歩きしました。
しかし、眼科専門医の知見によれば、レーシック手術によって眼球そのものが突出したり、首元を切開して治療したりすることは医学構造上あり得ません。首の手術痕と眼球突出が同時に説明できる唯一の病態が、自己免疫疾患であるバセドウ病(甲状腺機能亢進症)およびそれに付随する甲状腺眼症です。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が異常に高まり、安静時でも激しい動悸や多汗、筋力低下を引き起こす過酷な病気です。プロアスリートにとって、この状態で90分間ピッチを走り続けることは生命の危険すら伴うレベルの負荷となります。本田圭佑は2014年ブラジルW杯を前に、選手生命を懸けて甲状腺の手術に踏み切ったと推察されます。