防水スプレーを購入する際、パッケージの派手な謳い文句以上に注視すべきなのが「主成分の科学的特性」です。現在流通している製品は、大きく分けてフッ素系とシリコン系、そして両者の長所を組み合わせたハイブリッド系の3タイプに分類されます。
フッ素系防水スプレーは、繊維や皮革の微細な隙間(通気孔)を塞ぐことなく、分子レベルで繊維一本一本に付着して表面張力を高める仕組みを採用しています。水だけでなく油分や皮脂汚れも弾く性質があり、スニーカー、本革靴、スエード、GORE-TEXなどの透湿防水ウェアに最適です。素材の呼吸を妨げない反面、摩擦によってコーティングが剥がれやすく、定期的な再塗布が求められます。
一方のシリコン系防水スプレーは、対象物の表面に油膜のバリアを隙間なく形成することで水を強固に弾きます。即効性と高い撥水力があり、比較的安価に入手できる点が魅力です。しかし、表面を完全にコーティングして通気性をゼロにしてしまうため、革靴に使用すると呼吸が止まり、ひび割れやカビ、変色の原因になります。シリコン系は、傘、レインコート、タープやテントといった「通気性を必要としない雨具類」に特化して使うのが正しい判断です。