その投資相手は実在するのか?詐欺で使われる偽名の手口と見分け方

その投資相手は実在するのか?詐欺で使われる偽名の手口と見分け方

その投資相手は実在するのか?詐欺で使われる偽名の手口と見分け方の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

「この人は本当に実在する人物なのか」――送金ボタンを押す直前、被害者の多くが一度は胸の内で抱く疑念である。結論から言えば、SNS投資勧誘で登場するカリスマ投資家、親切なアシスタント、あるいはマッチングアプリで甘い言葉を囁く富裕層の外国人は、ほぼすべて実在しない。

犯罪集団が用意する投資詐欺で使われる偽名の特徴には、心理学的な計算に基づいた明確な共通項が存在する。代表的なのが「親しみやすさと知性を両立させた日本名」の偽装だ。名字には佐藤、高橋、田中といった全国的に多い一般的な姓を選び、下の名前には「葵」「美咲」「拓海」「蓮」といった爽やかで誠実な響きを持つ漢字を好んで充てる。これにより、被害者の無意識の警戒心を和らげる効果を狙っている。

一方で、グループの頂点に君臨する「指導役」には、あえて重厚感のあるフルネームや、実在する大手証券会社の元幹部、名門大学客員教授といった肩書を付与する。だが、その名前を法務局の登記データや学術機関の研究者データベースで照会しても、該当者は一人として現れない。彼らは東南アジアなどの拠点に潜む「匿名・流動型犯罪グループ(通称:トクリュウ)」が、マニュアルに沿って作成したスクリプト上の記号に過ぎないのだ。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。