サナエノミクスを構成する骨格は、アベノミクスを大幅にアップデートした「新しい3本の矢」です。日本経済が長年囚われてきた縮小均衡を脱却するため、以下の3つの連動メカニズムが設計されています。
第1の矢は「大胆な金融緩和の継続」です。日本銀行の独立性を尊重しつつも、実質賃金が安定的にプラスを維持し、2%の物価安定目標がデマンドプル(需要牽引)型で定着するまでは拙速な金融引き締めを牽制する立場をとります。市場心理を冷やさない金融環境をバックボーンに据える考えです。
第2の矢は「機動的な財政出動」です。ここで最大の特徴となるのが、PB(プライマリーバランス)規律に対するスタンスです。高市氏は「名目GDP成長率が名目金利を上回っている限り、財政運営の持続可能性は保たれる」と主張し、PB黒字化の単年度目標に縛られて必要な公共投資を抑制することを痛烈に批判してきました。有事や不況期には躊躇なく国債を発行し、国民の生命と生活を防衛する姿勢を鮮明にしています。
第3の矢こそが、サナエノミクスの真骨頂である「危機管理投資(大胆な危機管理投資と成長投資)」です。国が率先して需要を創出し、民間企業のリスクを肩代わりすることで、10年・20年単位の長期プロジェクトを推進します。対象となるのは量子暗号通信、先端半導体、バイオテクノロジー、小型モジュール炉(SMR)、そして日本列島強靭化計画に基づく防災インフラ整備など多岐にわたります。国が巨額のインセンティブを付与することで、民間の設備投資を誘発するクラウドイン効果を狙っています。