2002年、青森地方裁判所は「公社の財政を破綻寸前に追い込み、社会に与えた衝撃は計り知れない」として、千田郁司に懲役14年の実刑判決を言い渡しました。千田側は控訴せず、判決はそのまま確定。山形刑務所などに収監され、長い服役生活に入りました。
公判の中で千田は「アニータに喜んでもらいたかった」「彼女に見捨てられるのが怖かった」と語り、公金を横領してまで一人の女性に執着した異常な心理状態を明かしました。手記や関係者への証言でも、騙されていると薄々感づきながらも引き返せなくなっていった孤独と破滅への恐怖が生々しく記録されています。
刑期を満了して出所した千田は、すでに高齢の域に入っています。出所後の生活は極めてひっそりとしたものであり、かつての同僚や知人との連絡を絶ち、地方都市で身元を隠しながら静かに暮らしていると報じられています。
刑事罰を終えたとはいえ、公社側から請求された巨額の損害賠償義務が消滅したわけではありません。民事上の債務は自己破産をしても不法行為による損害賠償請求権として残り続けるため、千田は生涯にわたって「14億円の横領犯」という十字架を背負い続けることになります。