愛知県警捜査四課および組織犯罪対策局が推進してきた「弘道会壊滅作戦」は、日本の警察行政における最重要プロジェクトの一つです。2009年に当時の警察庁長官が「弘道会の壊滅なくして暴力団対策の進展はない」と異例の宣言を行って以来、取り締まりは劇的に強化されました。
特に決定的な打撃を与えたのが、愛知県暴力団排除条例の厳格適用と、地域住民が主導した「暴力団事務所撤去請求訴訟」です。公益財団法人「愛知県暴力追放運動推進センター」が住民の委託を受けて代理訴訟を起こす仕組み(適格都道府県センターによる代理訴訟制度)が機能し、名東区や中村区に点在していた拠点事務所に対して次々と使用禁止仮処分や撤去命令が下されました。
かつて監視カメラが何十台も設置され、屈強な組員が警戒に立っていた組事務所の多くは、現在では解体されて更地や一般住宅、コインパーキングへと姿を変えています。物理的な拠点を失ったことは、組員の日常的な接触や統制を困難にし、組織の求心力を著しく削ぎ落とす結果となりました。