SNSやネット掲示板などでは、時折「正統派と呼ばれる人は、無難で個性が薄いだけではないか」「特徴がないことの裏返しではないか」という極論が散見されます。しかし、これは表現の本質を見誤った典型的な誤解です。
現場で作品を創り上げる演出家やプロデューサーの証言を検証すると、全く異なる現実が見えてきます。実際には、「強いアクや奇抜さで誤魔化すことが許されないため、基礎を極限まで磨き上げた者しか正統派の看板を背負えない」という過酷な事実があります。
奇抜な演出や突飛なキャラクター設定は、瞬間的なインパクトを生みやすい反面、基礎的な粗を隠しやすい側面を持っています。対して正統派は、正面から光を浴びるため、わずかな技術不足や不協和音が即座に露呈します。つまり、「無難だから正統派」なのではなく、「あらゆる粗を削ぎ落とした結果として、誰が見ても美しい王道に到達している」というのが現場の客観的な真実です。