栄光のセ・リーグ制覇を成し遂げた阿部巨人でしたが、歓喜の直後に球界の厳しさを突きつけられることになります。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージにおいて、3位から勝ち上がってきた横浜DeNAベイスターズに3勝4敗(アドバンテージ1勝含む)で惜敗し、悲願であった日本シリーズ進出を逃すという苦杯を舐めました。
ネット上や一部の野球ファンの間では「アドバンテージ制度の不条理」や「日程の空きすぎによる試合勘の欠如」が敗因として叫ばれました。しかし、現場の取材データを客観的に精査すると、そこにはより構造的な問題が存在していたことが分かります。
ペナントレースにおける巨人の勝因は、前述の通り「2点差・1点差を守り切る野球」でした。しかし短期決戦では、相手投手陣も超一流のエースやリリーフを惜しみなくつぎ込んできます。その結果、わずかなミスが致命傷となり、レギュラーシーズン終盤に生じていた打線の調子の波がそのまま得点力不足へと直結してしまったのです。
阿部監督はCS敗退後の会見で、一切の言い訳を排し次のように語りました。
「負けた責任はすべて監督である私にあります。ペナントを勝てたからといって、短期決戦で勝てるチームではまだなかった。この悔しさを忘れたら、常勝軍団への道は途絶えてしまう」
この敗戦は、チームに潜んでいた「1年間の成功体験による油断」を断ち切り、翌年以降の打撃強化と勝負どころでのメンタル強化へと繋がる重要な転換点となりました。