自分の体の中で膵臓が具体的にどこにあるのかを正確にイメージできる人は、決して多くありません。結論から言えば、膵臓の位置と場所は「みぞおちの奥深く、胃の後ろ側」であり、胃と背骨(脊椎)に挟まれるようにしてピタリと張り付いています。
「膵臓は左右どっち側にあるのか」という疑問に対しては、左右のどちらか一方だけに偏っているのではなく、体のほぼ中央から左側にかけて横長に伸びているというのが正確な答えです。右端は十二指腸のC字型カーブにしっかりと抱え込まれており、ここを「膵頭部(すいとうぶ)」と呼びます。そこから左斜め上に向かって「膵体部(すいたいぶ)」がみぞおちの裏を横断し、左端の「膵尾部(すいびぶ)」は左脇腹の奥にある脾臓(ひぞう)に接するまで伸びています。
言葉による膵臓の位置イラスト解説を試みるなら、自分のみぞおちを手で押さえたとき、その指先から数センチ奥にある胃のさらに裏側、背骨の真ん前を「左上に向かって横たわる長さ約15cm、厚さ約2cmの細長い洋ナシあるいは白身魚のような形」をイメージすると位置関係が腑に落ちます。解剖学的には「後腹膜臓器(こうふくまくぞうき)」と呼ばれるカテゴリーに属し、腹膜というお腹全体を包む膜の外側(背中側)に埋もれているため、腹側から手で直接触れることは絶対にできません。
さらに厄介なのは、膵臓の周囲を腹部大動脈や門脈、上腸間膜動脈といった生命維持に不可欠な太い血管群が網の目のように取り囲んでいる点です。この複雑極まる解剖学的配置こそが、後述する画像診断の死角を生み、外科手術における難易度を跳ね上げる構造的要因となっています。