2014年1月、世界最高峰の科学雑誌『Nature』に2編のSTAP細胞関連論文が掲載された。学術データベースであるPubMedにも即座に登録され、世界中の研究者が熱狂した。生命科学の常識を覆す快挙。誰もがそう信じて疑わなかった。
だが、熱狂はわずか数週間で打ち砕かれた。世界各地の研究所から「再現できない」という悲鳴が上がったのだ。ネット上の画像解析コミュニティでは論文内の画像加工や流用が次々と指摘され、PubMedを通じて論文を参照していた研究者たちに衝撃が走った。結果として、論文は異例の速さで全面撤回されるに至る。トップジャーナルへの掲載プロセスや事前査読制度の限界が、浮き彫りとなった瞬間だった。